秋田県横手市梅の木町18-9

「帯状疱疹と帯状疱疹後神経痛」

帯状疱疹後神経痛は、痛みの治療を専門にするペインクリニックでも、治療がとても難しい病気の一つです。帯状疱疹の皮膚の症状が治った後も痛みが長く続く状態をいいます。皮疹の痕を強く押してはなんともないのに軽く触ると飛び上がるほど痛くて、ひどい場合は衣服を身につけることも苦痛になることがあります。高齢者ほどなりやすく、発疹がたくさん出た人や感覚の異常が強かった場合も痛みが残りやすいようです。人によっては10年以上も長く痛みに悩まされる場合もある厄介な病気です。ペインクリニックでは、主に神経ブロック療法を用いてこの痛みを治療します。神経ブロックで楽になることもけっこう多いのですが、なかなか痛みがすっきりとは取れない場合もあります。特に痛みが出てから治療開始までの期間が長いほど、治療が難しいようです。

さて、帯状疱疹後神経痛の元になる帯状疱疹もなかなか痛い病気です。治療は、その原因である水痘・帯状疱疹ウイルス(水ぼうそうのウイルスと同じ)に対する抗ウイルス(内服薬、点滴など)が中心となります。痛みに対しては一般的に消鎮痛薬が用いられます。若い人や軽症の場合は、皮膚の症状が治ってくると痛みも自然と軽くなります。しかし、中には消炎鎮痛薬では痛みが楽にならず、ピリピリした痛みが一日中続くことがあります。ウイルスのために神経が傷んでいるのです。このようなときには、神経ブロック療法が有効です。頭・顔・首・腕・手などに発疹が出たときは状神経節ブロック、胸・腹・背中・足などに出た場合は硬膜外ブロックを行います。症状が強い場合は、入院して持続硬膜外ブロック(背中から脊髄の近くに柔らかい細い管を入れて、局所麻酔薬を持続的に注入する)を行うこともあります。帯状疱疹に対する神経ブロック療法の目的は、痛みを直接軽くするとともに、傷んだ神経や皮膚への血液の流れを良くすることにより、神経や皮膚の炎症を和らげ、治りを早くすることです。たった1回の星状神経節ブロックで、それまで一睡もできないくらい痛かった人が劇的に楽になることもあります。治療を始めるのが早ければ早いほど効果があるようです。帯状疱疹後神経痛の予防にもなるという意見もあります。

残念ながら、帯状疱疹に罹った人の一部がなぜ帯状疱疹後神経痛になってしまうのかは、まだはっきり分かっていません。それを神経ブロック療法で予防できるかどうかも証明はされてはいません。でも、帯状疱疹の痛みは激烈で、帯状疱疹後神経痛に至っては一種独特のとても辛い痛みになります。通常の鎮痛薬ではとても楽にならない場合が多いのです。たかが帯状疱疹と甘く見てはいけません。「ほうっておくと⋯」などと某テレビ番組のように脅かすつもりはありませんが、痛みが強い場合はできるだけ早く、欲を言えば病気がまだ新鮮なうちに神経ブロック療法を受けられることをお勧めいたします。

身体の痛みをやわらげる

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