秋田県横手市梅の木町18-9

「ペインクリニックと麻酔科」

痛みを専門に治療するペインクリニックは、麻酔科医が手術時の痛みをとるために、神経ブロックを応用したことから始まりました。日本におけるペインクリニックはこの神経ブロックを中心に独自の発展をとげ、日本麻酔科学会とは別に日本ペインクリニック学会を立ち上げるに至り、その会員数は4,000名余りに上っています。しかし、始めの頃ペインクリニックの外来は麻酔科医の常勤する総合病院にしかなくて、一般にはあまり知られませんでした。最近は大都市を中心にペインクリニックを専門にする診療所が増えてきて、少しずつ知られるようになってきました。それでも、「お宅は何をするところですか?」とか、「保険は利くのですか?」などと電話で聞かれることがよくあります。

以前、大阪で開業した医師の話では、クリーニング店と勘違いして、洗濯物をたくさん抱えて診療所に入って来た人もいたそうです。ペインクリニックには、内科、外科、整形外科といったような診療科としての標榜は、まだ認められてはいません。現在標榜を認められている診療科の中で専門を表示するとしたら「麻酔科」なのですが、麻酔科の外来とか診療所といっても何の治療をするのかよく分からないと思います。「麻酔をかけるのかな?」、「麻酔をかけてどうするのだろう?」と思われるのが関の山です。確かに神経ブロックで局所麻酔薬を使いますが、全身麻酔をかけるわけではありません。診療内容を少しでも分かってもらえる様に、「疼痛外来」とか「痛みの外来」などと、名前を工夫している病院もあります。早く「ペインクリニック科」と標榜できるようになり、診療内容が一般に広く認知されるようになればと思います。(追加:現在はペインクリニック科の標榜は認められています)

ところで痛みの治療を専門にするからといって、何でもかんでも治療するというわけではありません。通常、体のどこかが痛くなった場合、痛みの出た部位や状態により、それぞれの専門領域で治療が行われます。交通事故の骨折や胃潰瘍の患者さんが、痛いからといってペインクリニックを受診されても、十分な対応はできません。また、命にかかわるような痛み(クモ膜下出血の頭痛や心筋梗塞の胸痛など)の場合は、できるだけ早く専門病院を受診する必要があります。

ペインクリニックでは、首、肩、四肢、腰など整形外科的な痛み、頭痛など神経内科的な痛み、帯状疱疹などの皮膚科的な痛みなどを主に治療しています。また、他の診療科で有効な治療法が見つからない痛み、原因がはっきりしない痛み、もともとの病気は治ったのに残ってしまった痛みなどに対しても、神経ブロックを中心とした治療をします。

手術の麻酔に持続硬膜外ブロックを使うようになり、手術に伴う痛みはかなり軽くすることが出来るようになりました。手術後、切った創は大きいのにけろっとしていらっしゃる患者さんもいる位です。手術以外にも神経ブロックで楽になる痛みはもっとあると思います。今後いろいろな痛みに適切に神経ブロックが応用され、多くの痛みが緩和されるようになれば良いと思います。

身体の痛みをやわらげる

梅の木ペインクリニック

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