秋田県横手市梅の木町18-9

「痛みの治療を専門にするペインクリニック」

痛みの治療を専門にするペインクリニックのお話も今回で最終回になります。そこで今回はこれまでの内容のまとめをしてみたいと思います。ペインクリニックというのは、神経ブロック(神経の伝達機能を遮断する注射、通常は局所麻酔薬を使う)を治療の中心にして、いろいろな痛みを治療するところです。麻酔科出身の医師が担当する事が多く、「麻酔科外来」とか「痛みの外来」などとも言われます。

神経ブロックには多くの種類がありますが、代表的なものは硬膜外ブロックと星状神経節ブロックです。硬膜外ブロックは腰痛や帯状疱疹など多くの痛みに効果がありますが、なぜかとても痛い注射だと誤解されています。実際は、あらかじめ局所麻酔をするのでブロック注射の痛みはほとんどありません。星状神経節ブロックは、頭痛、頚椎疾患、顔や上肢の帯状疱疹、上肢の血行障害などに効果があります。

治療法は、痛みの原因、程度、種類などによって選択します。痛みの程度が軽い場合は、トリガーポイント注射と言う簡単な注射ですむ場合もあります。脊椎や神経に問題があり、痛みが重症な場合は神経ブロックが必要になることが多いです。高齢者でも必要があれば可能な限り神経ブロックを行いますが、できない場合もあります。例えば、不整脈や脳梗塞などで血栓予防の薬(抗凝固薬)を内服している場合は、神経ブロックはできません。

神経ブロックの効果はすぐに出る場合とゆっくり出る場合があります。強い腰痛と下肢痛のため普通に歩く事ができず、這うようにして診察台に上がられた患者さんが、治療後普通に歩いて帰られることもあります。1-2 回の治療ではあまり効果が見られなくても、継続して治療するうちに薄皮がはがれるように症状が軽くなる場合もあります。痛みの原因や種類によって違いが出るようです。

一方、治療してもなかなか楽にならない場合もあります。そんなときは患者さんも辛いですが、治療する側も辛いものです。痛みの原因が複雑な場合に多いようです。痛みの原因をもう一回考え直したり、治療が適切に行われているか検証したりします。神経ブロックも万能ではありません。必要と思われる回数を適切に実施しても効果が無ければ、他の治療法を検討すべきです。

神経ブロックを治療の中心にするペインクリニックは、従来の診療科と比べると特殊かもしれません。またペインクリニックを専門にする医師が少ない為、診療所も少なく、まだ一般に広くは知られていません。でも神経ブロックで楽になる痛みは、意外と多いのです。今後ペインクリニックの診療内容を多くの方々に理解していただき、より多くの人が痛みから解放されることを願っております。

身体の痛みをやわらげる

梅の木ペインクリニック

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